2016年04月10日
4月10日 読書 行動経済学が面白い!
自転車での散歩の途中で図書館に行ってきた。
今回借りてきたのはカーネマンの行動経済学の図書。
Daniel Kahneman, Thinking, Fast and Slow ( Farrar, Straus, and Giroux 2011)
村井章子訳『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(筑摩書房,2014)

原文のPDFファイルは持っているが、まだ邦訳で読んでいなかったのと、日本語の教材探しの
ためだった。
この図書に関するちゃんとした書評としては、
Andrei Shreifer, Psychologists at the Gate:A Review of Daniel Kahneman’s Thinking,
Fast and Slow,Journal of Economic Literature , 2012, 50(4), 1–12.
http://dx.doi.org/10.1257/jel.50.4.1
がある。
カーネマンの『ファスト&スロー』については、インターネット上などに日本語で書かれた
解説や書評が数多く載っているが、信頼できるものはとんどない。
きちんとした書評を読むならこれがいいでしょう。
また、ノーベル記念経済学賞受賞までのカーネマン教授の貢献については、本人の受賞記念
講義の改訂版が
Daniel Kahneman, Maps of Bounded Rationality: Psychology for Behavioral Economics,
The American Economic Review, 93(5), pp. 1449-1475, December 2003.
に掲載されている。
これがわかりやすいし最も信頼できる。
私が行動経済学に関心を持ち始めたのは、公共事業等の評価と関連し、WTPとWTAの乖離
の問題を扱う手法としてプロスペクト理論が重要、ナッジ(nudge)の手法が有力、などといった
点であった。
行動経済学が面白い!!
なぜ、人は人まねをするのか?
私自身、イギリスに初めて行った際、先にドアを通った人が、後から人が来ているかいな
いかを確認の上、ドアを開けて待つか、ドアのノブを離すかを決めることを見て、真似をし
た。
エレベータに乗ったら、イギリスでは朝「モーニング」、フランスなら「ボンジュール」と言って
挨拶するのも、現地で真似た。
知らない釣り場に行ったときは、釣り人が集まっているところへ行くか、よく釣っている釣り人
の近くに行く。どうしてか?
なぜ 知らない土地では、知っていることをもとに判断しようとするのか?
私自身、初めて中国に行った際、まず、なるべく日本食に似た食べ物、ないし食べたこと
のある食べ物を探した。
なぜ人は、初印象でその人を評価してしまうのか?
学生を面接するとき、先生が受ける初印象で質問項目が変わったり、評価点が揺れたりする。
テレビのCMで、なぜ「今回に限り」、「放送終了後30分以内に限り」というフレーズや、いわ
ゆるサクラの人々の「ワー、安い」、「スゴーイ」という音声、有名タレントを多用するのか?
ここで上げた人々の行動は、ヒュ-リスティックス、ハーディング(herding)現象、フレーミング効
果で説明できます。
言い方を間違えて相手を怒らせた <-----言いようで受け取り方が異なる(フレーミング効果)
うまい話に乗ってしまった <------ 「あなただけにいい話教えます」(フレーミング効果)
などといった経験のある人は、行動経済学を学ぶとうまく行きます。
私が学生に対して質問に使う例題
(1)服装に似合わない高価なバッグを持ってきている女子学生を学内で見つけたとき、あな
たは、彼女がそうしているのは、ヴェブレン効果、スノッブ効果、バンドワゴン効果、デ
モンストレーション効果のいずれによると思うか?
(単に私もそのバッグがほしいと思う人はまだまだレベルが低い。相手の行動や心理状態
を分析することが重要なんです。といったようなコメントを添えます。)
(2)学食で昼食をとった際、4人の友人がすべて同じ500円のランチを選んだ。あなたは700
円のランチにしたかったが、やむなく周りに合わせて500円のランチにした。なぜか?
(3)明日は苦手科目の試験だというのに、友人から遊びに行こうという誘いに負けて、つい
ついついて行った。どうしてか?
友人関係から説明しなさい。
また自分自身の時間の評価の仕方から説明しなさい。(理論的説明には双曲割引率を使う)
今回借りてきたのはカーネマンの行動経済学の図書。
Daniel Kahneman, Thinking, Fast and Slow ( Farrar, Straus, and Giroux 2011)
村井章子訳『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(筑摩書房,2014)
原文のPDFファイルは持っているが、まだ邦訳で読んでいなかったのと、日本語の教材探しの
ためだった。
この図書に関するちゃんとした書評としては、
Andrei Shreifer, Psychologists at the Gate:A Review of Daniel Kahneman’s Thinking,
Fast and Slow,Journal of Economic Literature , 2012, 50(4), 1–12.
http://dx.doi.org/10.1257/jel.50.4.1
がある。
カーネマンの『ファスト&スロー』については、インターネット上などに日本語で書かれた
解説や書評が数多く載っているが、信頼できるものはとんどない。
きちんとした書評を読むならこれがいいでしょう。
また、ノーベル記念経済学賞受賞までのカーネマン教授の貢献については、本人の受賞記念
講義の改訂版が
Daniel Kahneman, Maps of Bounded Rationality: Psychology for Behavioral Economics,
The American Economic Review, 93(5), pp. 1449-1475, December 2003.
に掲載されている。
これがわかりやすいし最も信頼できる。
私が行動経済学に関心を持ち始めたのは、公共事業等の評価と関連し、WTPとWTAの乖離
の問題を扱う手法としてプロスペクト理論が重要、ナッジ(nudge)の手法が有力、などといった
点であった。
行動経済学が面白い!!
なぜ、人は人まねをするのか?
私自身、イギリスに初めて行った際、先にドアを通った人が、後から人が来ているかいな
いかを確認の上、ドアを開けて待つか、ドアのノブを離すかを決めることを見て、真似をし
た。
エレベータに乗ったら、イギリスでは朝「モーニング」、フランスなら「ボンジュール」と言って
挨拶するのも、現地で真似た。
知らない釣り場に行ったときは、釣り人が集まっているところへ行くか、よく釣っている釣り人
の近くに行く。どうしてか?
なぜ 知らない土地では、知っていることをもとに判断しようとするのか?
私自身、初めて中国に行った際、まず、なるべく日本食に似た食べ物、ないし食べたこと
のある食べ物を探した。
なぜ人は、初印象でその人を評価してしまうのか?
学生を面接するとき、先生が受ける初印象で質問項目が変わったり、評価点が揺れたりする。
テレビのCMで、なぜ「今回に限り」、「放送終了後30分以内に限り」というフレーズや、いわ
ゆるサクラの人々の「ワー、安い」、「スゴーイ」という音声、有名タレントを多用するのか?
ここで上げた人々の行動は、ヒュ-リスティックス、ハーディング(herding)現象、フレーミング効
果で説明できます。
言い方を間違えて相手を怒らせた <-----言いようで受け取り方が異なる(フレーミング効果)
うまい話に乗ってしまった <------ 「あなただけにいい話教えます」(フレーミング効果)
などといった経験のある人は、行動経済学を学ぶとうまく行きます。
私が学生に対して質問に使う例題
(1)服装に似合わない高価なバッグを持ってきている女子学生を学内で見つけたとき、あな
たは、彼女がそうしているのは、ヴェブレン効果、スノッブ効果、バンドワゴン効果、デ
モンストレーション効果のいずれによると思うか?
(単に私もそのバッグがほしいと思う人はまだまだレベルが低い。相手の行動や心理状態
を分析することが重要なんです。といったようなコメントを添えます。)
(2)学食で昼食をとった際、4人の友人がすべて同じ500円のランチを選んだ。あなたは700
円のランチにしたかったが、やむなく周りに合わせて500円のランチにした。なぜか?
(3)明日は苦手科目の試験だというのに、友人から遊びに行こうという誘いに負けて、つい
ついついて行った。どうしてか?
友人関係から説明しなさい。
また自分自身の時間の評価の仕方から説明しなさい。(理論的説明には双曲割引率を使う)