2016年10月23日
10月22日 おもちゃの修理
おもちゃの修理に行ってきた。
今日の修理品はアンパンのおもちゃ。

全面Boxの蓋に Cooking Show とある。
受け入れのカルテには「動かない」と書かれているのみ。
ショーとあるからには賑やかなおもちゃなのだろうと想像できる。
しかし、音が鳴らないのか、ランプが光らないのか、何も動かない(モーターが回らない)の
かさっぱりわからない。
いつものように、電池の電圧を点検。
電池ボックスには単一6個。
単一6個を使うおもちゃなんてあまりみない。
すごい電気を食うおもちゃのようだ。
おそらく音が大きそう、くるくる回るらしい、ぴかぴか光るらしい。
電池の容量をみると、すべてが1.6V以上ある。
新品だ。
電池はすべてBoxから取り外した。
まずは電池ボックスから回路までの導通をみないといけない。
そこで解体作業に入る。
ネジが20本以上あるのですべて外すのに時間が掛かった。
手作業でネジを外していると、電気式ネジ回しを使って効率的作業するようにとの勧め
があったが、手作業がいいのですと手作業で通した。
テスターで電源スイッチの導通をみると、ON-OFFは問題無いようだ。
実は、これが重大なミステイクであった。
問題は根が深そうに思えたので、家に持ち帰って修理することにした。
以下は帰宅後の作業。
基板が見えてきた。
左がスピーカー、下がモーター。

基板を外す。
本来なら、電源スイッチから基板までのリード線の導通、電池を入れ基板側で電圧を計るな
どの作業をすべきだが、パーツや回路に興味があり、IC辺りに問題がないかななどと思った
りしてしまう。
ついつい修理よりパーツに目が行ってしまう。

LM350T。
マークからNational Semicondductor製である。
ご存じ、3端子レギュレータ。3Aまで扱える。
アルミの放熱板が付いている。

入力電圧を降圧して出力するので、電圧の差は熱に変わる。
熱対策から放熱板を付けいるのだ。
何Vを何Vに降圧するのか。
何の電源にするのか。モーターか。
何A流すのだろうか。
これはおもしろそうだ、回路を調べてみよう。
なんてことを思ってしまうので修理作業が遅々として進まない。
基板の部品実装面の全体像。
基板はきれいだ。
リード線や抵抗その他で過熱したような形跡はない。
左の黒い3個がトランジスタ。

何かなと覗くとSS8050。
SS8050は、コレクタ電流は最大800mAと大きいので、中国製のおもちゃでは、モーターや
スピーカー駆動の回路に頻繁に使わている。
ここではどういう回路かな。

スピーカーは8Ω0.5W。
問題はない。

基板配線側回路はハンダの浮き上がりなんかはなさそうである。
ただしこれは掃除した後の状態であるが。
IC周りもきれいだ。

あれやこれや考えて基板をみていると、あちこちでリード線が切れてしまう恐れがある。
先回のおもちゃではえらいめにあった。
あちこちいじるのはやめておこう。
ICが完全にいかれていないとすれば、スピーカーがカリカリ、ジージーとも言わない、ランプが
ピカリともしない、モータがグーと唸りもしない、つまりまるっきり動作しないのは、電源から回路
にかけての導通の問題だろうということになる。
そこで電源関係のリード線とスイッチを精密に点検した。
なんと、なんと電源スイッチであるスライドスイッチがON側で損傷してしまっていたのだ。
最初の点検では、スイッチをON状態にし、抵抗値を計ったときに、テスターのテストピン
の当て方が雑で、本当は抵抗値が無限大だったはずなのに、結果的にピンをショートさせ
た状態で計測してしまい、抵抗値がゼロと出てしまったのだ。
これでスイッチは問題なしと即断してしまった。
明らかにスイッチ点検時のミスだった。
スイッチが破損してしまっているので替えのスイッチを探したが一般のスイッチとサイズ、
形状が全く異なっている。
特注品のようだ。
やむを得ず、このスイッチを利用することにした。
ON側端子はいかれているが、OFF側端子の導通は問題ない。
そこで、中央の端子はそのまに、左右の端子を付けかえて使うことにした。
スライドスイッチをONとOFFを逆に機能させるようにリード線を付け替えた。

これでON-OFFの切り替えはうまくいった。
おもちゃには、もちろん、スイッチを左右逆方向に取り付けないといけないのです。
おわかりですか。
おもちゃには、「ONーOFFの表示」がすでにあるからです。
これでおもちゃがうまく動くのでは。
しかしおもちゃがどういう動作をするのかまったくわからないので、インターネットでおも
ちゃの動きを調べることにした。
検索の結果、修理に持ち込まれたおもちゃは 「アンパンマン NEW アンパンマンとお
料理ショー」とわかった。
2007年8月に発売された。
中古品でも現在9000円もする。
インターネットには新しい世代のアンパンマン料理おもちゃが多数載っている。
動画で大体の動作はわかった。

さあて、動くかな。
電池を入れ、電源スイッチをONにし、操作ボタンを押す。
おおっ。
音が出て、アンパンマンの顔が動き、ばい菌マンの歯が動き、椅子が回り、IHが光り、ガスコ
ンロのピンが上下(炎を表現)し、電子レンジが光り、ということですべてのパーツが動作した。
これで修理完了。
ちなみにIHの光り具合を写真に写してみた。

実にあっけない幕切れだった。
しかし、どこが悪いのか見極め直すには、トンジスタやIC、モーター、電子回路などのにつ
いてかなりの知識と技術が必要だ。
だから、専門外の者にとって、おもちゃの修理は奥深くて面白い。
今日の修理品はアンパンのおもちゃ。
全面Boxの蓋に Cooking Show とある。
受け入れのカルテには「動かない」と書かれているのみ。
ショーとあるからには賑やかなおもちゃなのだろうと想像できる。
しかし、音が鳴らないのか、ランプが光らないのか、何も動かない(モーターが回らない)の
かさっぱりわからない。
いつものように、電池の電圧を点検。
電池ボックスには単一6個。
単一6個を使うおもちゃなんてあまりみない。
すごい電気を食うおもちゃのようだ。
おそらく音が大きそう、くるくる回るらしい、ぴかぴか光るらしい。
電池の容量をみると、すべてが1.6V以上ある。
新品だ。
電池はすべてBoxから取り外した。
まずは電池ボックスから回路までの導通をみないといけない。
そこで解体作業に入る。
ネジが20本以上あるのですべて外すのに時間が掛かった。
手作業でネジを外していると、電気式ネジ回しを使って効率的作業するようにとの勧め
があったが、手作業がいいのですと手作業で通した。
テスターで電源スイッチの導通をみると、ON-OFFは問題無いようだ。
実は、これが重大なミステイクであった。
問題は根が深そうに思えたので、家に持ち帰って修理することにした。
以下は帰宅後の作業。
基板が見えてきた。
左がスピーカー、下がモーター。
基板を外す。
本来なら、電源スイッチから基板までのリード線の導通、電池を入れ基板側で電圧を計るな
どの作業をすべきだが、パーツや回路に興味があり、IC辺りに問題がないかななどと思った
りしてしまう。
ついつい修理よりパーツに目が行ってしまう。
LM350T。
マークからNational Semicondductor製である。
ご存じ、3端子レギュレータ。3Aまで扱える。
アルミの放熱板が付いている。
入力電圧を降圧して出力するので、電圧の差は熱に変わる。
熱対策から放熱板を付けいるのだ。
何Vを何Vに降圧するのか。
何の電源にするのか。モーターか。
何A流すのだろうか。
これはおもしろそうだ、回路を調べてみよう。
なんてことを思ってしまうので修理作業が遅々として進まない。
基板の部品実装面の全体像。
基板はきれいだ。
リード線や抵抗その他で過熱したような形跡はない。
左の黒い3個がトランジスタ。
何かなと覗くとSS8050。
SS8050は、コレクタ電流は最大800mAと大きいので、中国製のおもちゃでは、モーターや
スピーカー駆動の回路に頻繁に使わている。
ここではどういう回路かな。
スピーカーは8Ω0.5W。
問題はない。
基板配線側回路はハンダの浮き上がりなんかはなさそうである。
ただしこれは掃除した後の状態であるが。
IC周りもきれいだ。
あれやこれや考えて基板をみていると、あちこちでリード線が切れてしまう恐れがある。
先回のおもちゃではえらいめにあった。
あちこちいじるのはやめておこう。
ICが完全にいかれていないとすれば、スピーカーがカリカリ、ジージーとも言わない、ランプが
ピカリともしない、モータがグーと唸りもしない、つまりまるっきり動作しないのは、電源から回路
にかけての導通の問題だろうということになる。
そこで電源関係のリード線とスイッチを精密に点検した。
なんと、なんと電源スイッチであるスライドスイッチがON側で損傷してしまっていたのだ。
最初の点検では、スイッチをON状態にし、抵抗値を計ったときに、テスターのテストピン
の当て方が雑で、本当は抵抗値が無限大だったはずなのに、結果的にピンをショートさせ
た状態で計測してしまい、抵抗値がゼロと出てしまったのだ。
これでスイッチは問題なしと即断してしまった。
明らかにスイッチ点検時のミスだった。
スイッチが破損してしまっているので替えのスイッチを探したが一般のスイッチとサイズ、
形状が全く異なっている。
特注品のようだ。
やむを得ず、このスイッチを利用することにした。
ON側端子はいかれているが、OFF側端子の導通は問題ない。
そこで、中央の端子はそのまに、左右の端子を付けかえて使うことにした。
スライドスイッチをONとOFFを逆に機能させるようにリード線を付け替えた。
これでON-OFFの切り替えはうまくいった。
おもちゃには、もちろん、スイッチを左右逆方向に取り付けないといけないのです。
おわかりですか。
おもちゃには、「ONーOFFの表示」がすでにあるからです。
これでおもちゃがうまく動くのでは。
しかしおもちゃがどういう動作をするのかまったくわからないので、インターネットでおも
ちゃの動きを調べることにした。
検索の結果、修理に持ち込まれたおもちゃは 「アンパンマン NEW アンパンマンとお
料理ショー」とわかった。
2007年8月に発売された。
中古品でも現在9000円もする。
インターネットには新しい世代のアンパンマン料理おもちゃが多数載っている。
動画で大体の動作はわかった。
さあて、動くかな。
電池を入れ、電源スイッチをONにし、操作ボタンを押す。
おおっ。
音が出て、アンパンマンの顔が動き、ばい菌マンの歯が動き、椅子が回り、IHが光り、ガスコ
ンロのピンが上下(炎を表現)し、電子レンジが光り、ということですべてのパーツが動作した。
これで修理完了。
ちなみにIHの光り具合を写真に写してみた。
実にあっけない幕切れだった。
しかし、どこが悪いのか見極め直すには、トンジスタやIC、モーター、電子回路などのにつ
いてかなりの知識と技術が必要だ。
だから、専門外の者にとって、おもちゃの修理は奥深くて面白い。